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トピックスtopics

がんペプチドワクチン療法 ~WT1ペプチドを用いた、前立腺がんの免疫療法~

高知大学医学部免疫学 癌ワクチン療法臨床試験事務局で開発された、新しい悪性腫瘍(前立腺がん)の治療法(がんペプチドワクチン療法)を実施しております。

1.悪性腫瘍に対する、がんペプチドワクチン療法とは

最近、悪性腫瘍患者さんの体の中に悪性腫瘍(がん)を攻撃、破壊するリンパ球(細胞障害性T細胞)があることが明らかになりました。 悪性腫瘍(がん)をもつ患者さんの体の中では、この腫瘍を攻撃するリンパ球の数や力が足りないために腫瘍細胞が増えている可能性があります。
患者さんに薬を投与することで、腫瘍を攻撃、破壊するリンパ球を増やし働きを高めることにより腫瘍を抑えようという治療法が、がんペプチドワクチン療法です。

2.WT1ペプチドとは

WT1タンパクはさまざまな種類の固形悪性腫瘍(がん)をはじめとし、脳腫瘍(グリオーマなど)や、白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫などの 血液悪性腫瘍にもたくさん出ており、悪性腫瘍細胞の目印になることがわかりました。

WT1タンパクは、449個のアミノ酸からなるタンパクですが、この一部分をWT1ペプチドといいます。9個のアミノ酸がつながったWT1ペプチドを化学的に合成して患者さんに 皮内注射すると、WT1タンパクを見つけて悪性腫瘍の細胞を攻撃するリンパ球を増やすことができます。

この臨床試験では、WT1ペプチドに加えて、百日咳菌由来の成分を同時に投与します。この成分を投与すると、サイトカインと呼ばれるリンパ球の働きを助ける物質が体から出てくるため、治療効果が改善されることが期待されます。



皮内注射された合成WT1ペプチドによってリンパ球が刺激され数が増えるとともに、
百日咳菌由来の成分によってさらに働きが高まる。
↓↓↓
刺激されたリンパ球が血液にのって悪性腫瘍細胞に接近する。
↓↓↓
悪性腫瘍細胞の表面にある悪性腫瘍の目印(WT1)をみつけ悪性腫瘍細胞を攻撃する。
↓↓↓
正常細胞の表面にはWT1ペプチドがほとんどないため攻撃されにくい。

3.臨床試験について

臨床試験とは、健康な人や患者さんに参加していただき、新しく開発する薬の効果(効き目)や安全性(副作用)などを調べるための試験のことです。
現在、悪性腫瘍(がん)の患者さんに参加していただき、WT1ペプチドを用いた、がんペプチドワクチン療法の安全性と有効性を確かめるための臨床試験を行っています。

4.どのような方が対象となるか?

この臨床試験の対象となっていただける方の条件。

  1. 悪性固形腫瘍(前立腺がん)である方。
  2. あなたが他の重い病気にかかっておられず、全身状態が安定していること。
  3. いままで受けてきた治療(手術、抗悪性腫瘍剤、放射線治療など)で十分な効果が得られなかった。
    または自ら拒否をし、がんペプチドワクチン療法を希望している。
  4. 悪性腫瘍(前立腺がん)細胞にWT1が出ていること。
  5. このがんペプチドワクチンで治療を受けた患者さんの免疫システムが反応できる
    HLA-A 2402、−A 0201 、−A 0206のどれかをもっていること(日本人の約75%が含まれる)。
    →血液検査で調べます。
などの基準があります。


お問い合わせは、下記連絡先までお願いいたします。

【問い合わせ先】

医療法人社団若鮎 北島病院
W10TR−PRO1 臨床試験実施事務局(担当:渡邉・外来看護師)
住所:781-1301 高知県高岡郡越知町越知甲1662
電話:0889-26-0432 / fax: 0889-26-3611
E-Mail:wakaayu@lime.ocn.ne.jp

がんペプチドワクチン療法の詳細は「高知大学医学部」のHPにてご覧頂けます。
URL:http://www.kochi-ms.ac.jp/~hsptl/WT1%20homepage/

WT1ペプチドワクチンを用いた前立腺がん免疫療法に取り組む、
北島病院泌尿器科のページへは下記リンクからどうぞ。
【北島病院 泌尿器科のページを見る】



学会発表 NEW

第102回日本泌尿器科学会総会(2014年4月25日神戸)でWT1抗原を標的とした前立腺癌に対するペプチドワクチン療法の臨床試験を発表しました。

北島清彰 院長(泌尿器科)
発表要旨

目的
2009年4月から去勢抵抗性となった前立腺癌に対してWT1ペプチドワクチン療法を行っている。当施設での結果を報告する。

 

対象と方法
内分泌療法を含む標準的な治療を施行中にPSAが上昇し、去勢抵抗性前立腺癌と診断されHLA型がA2402、A0201、A0206のいずれかである患者に対し、WT1ペプチド および百日咳菌細胞成分をアジュバントとして1週間に1回、4ヵ所に皮内注射をした。抄録作成時に24例に治療を行った。PSAによる効果判定基準は前立腺癌取扱規約(第3報)に従い、また画像上の腫瘍縮小効果も判定に取り入れた。

 

効果と考察
24例中治療効果が判定できるのは21例、1例は治療開始直後で効果判定ができず、2例は初回投与時に皮疹が出現したために中止した。評価可能症例は21例、 PSAで効果判定をするとCRが2例、PRが2例、NCが6例、PDが11例であった。NCの1例は画像上腫瘍の縮小効果が認められた。またPSAが下降しているにも関わらず、骨転移が悪化している症例があった。有効率はNCも含めて47.6%であった。

 

まとめ
去勢抵抗性前立腺癌に対しWT1ペプチドワクチン療法を行い、PSAの効果判定基準では21例中有効症例は10例(47.6%)であった。

過去の学会発表はこちらから



  
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